里親とは

里親とは、さまざまな事情で家族と暮らせない子どもを家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解をもって育てる家庭のことをいい、児童福祉法に基づく、子どもの幸せを目的とした制度です。


里親が必要です

あなたのサポートを待つ子どもがいます

家族と暮らすことが難しく、社会がかわって育てる必要のある子ども達は、日本に約4万2千人いると言われています。

▶親がいない:死亡・行方不明

▶養育困難:経済的理由・就労・疾病

▶家庭環境の不和:両親・親子間の暴力

▶虐待:身体的・心理的・性的・ネグレクト・遺棄

*令和4年度中に、全国の児童相談所が対応した児童虐待相談の件数は約22万件(219,170件:速報値)

そして、その子ども達の多くが施設で生活をしています。里親の数はまだまだ少なく、一人ひとりに合わせた生活環境を選ぶには、選択肢が限られています。
*対象となる子ども(350人超)に対して、登録している里親の世帯数はその約半数(185世帯)です。


奈良県の現状 *クリック

奈良県における子ども達を取り巻く現状について

・児童相談所が対応した児童虐待相談の件数
 …1,639件(令和4年度)

・施設や里親家庭等で生活する子どもの数
 …357名(令和5年12月)
 *施設:児童養護施設・乳児院のみ
 *その他の施設を含めると466名

・上記の内で里親やファミリーホームで暮らす子どもの数
 …80名(令和5年12月)

・里親等委託率(家庭養護で暮らす子どもの割合)
 …22.4%(令和5年12月)

・里親の世帯数
 …185世帯(令和6年4月)
 *対象となる子どもの半数





里親の役割

様々な事情から保護者と一緒に暮らすことができない子どもを、自らの家庭に迎え入れ、一つ屋根の下で、食卓を囲んだり楽しくお話ししたり、同じ時間を過ごします。
子ども達に必要な「安心で安全な生活・成長の手助け・帰れる場所」を提供します。

「実際に里親をしている人の体験談が知りたい!」という方は、奈良県里親会のサイトもご覧下さい。







里親の種類

ともに、暮らす

里親には、様々な種類があります。
ご自身のご家庭が子どもを受け入れるとしたらどのタイプになるでしょうか?

〇養育里親
・一定期間をともに暮らす里親

〇養子縁組里親
・養子として子どもを育てる里親

〇短期里親
・週末・季節里親
…週末や夏休みなどを子どもと過ごす里親

・ショートステイ
…地域の子育て支援として、少しの期間子どもを預かります。

・レスパイトケア
…里親の休息のため、他の里親が子どもを預かります。

・一時保護
緊急に保護が必要な子どもなどを、一時保護所に代わり預かります。

〇特別な種類の里親
・専門里親
…非行や障害のある子どもを預かる里親

・親族里親
…祖父母や兄弟姉妹などが子どもを預かる里親

・ファミリーホーム
…里親の拡大版。5~6名の子どもを預かります




養育里親

全国で最も多い里親。子どもが生まれた家庭に戻ったり、社会自立する時まで、一定の期間をともに暮らします。

>戸籍上の親子にはなりません。*子どもの姓は変わりません。
>県から里親手当や、子どもの生活費などの費用補助があります。
>預かる期間は子どもの事情によって変わります。ex)数週間、1年、数年、大人になるまで



▶養育里親の要件 
*養子縁組里親とほぼ同じ
①要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する愛情を有していること
②経済的に困窮していない者であって養育里親研修を修了した者
・里親希望者及び同居人が次の欠格事由に該当しないこと

 

欠格事由 *クリック

〇禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

〇児童福祉法、児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

〇児童虐待の防止等に関する法律第2条に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者


▶養育里親の登録有効期間
・5年間(5年ごとに更新研修を受講



▶養育里親に支給される費用補助(令和5年度)
・里親手当
 …月額90,000円(委託児童1人当たり)
・一般生活費(食費・被服費等)
 …乳児 月額60,670円(1人当たり)
 …乳児以外 月額52,620円( 〃 )
・その他
 …幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職支度費、大学進学等支度費、医療費、通院費等






養子縁組里親

養子縁組を行って法律上の親子となることを前提に、子どもを育てます。縁組には家庭裁判所への申立ても必要になります。

>原則15歳未満の子どもを預かり「特別養子縁組」の手続きを行います。
>縁組が成立するまでの間は、県から子どもの生活費などの費用補助があります。
>縁組が成立すれば、戸籍上(法律上)の親子となります。
*上記の費用補助は縁組成立とともに不支給となります。



▶養子縁組里親の要件 
*養育里親とほぼ同じ
①要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する愛情を有していること
②経済的に困窮していない者であって養子縁組里親研修を修了した者
・里親希望者及び同居人が次の欠格事由に該当しないこと

 

欠格事由 *クリック

〇禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

児童福祉法、児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

〇児童虐待の防止等に関する法律第2条に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者


▶養子縁組里親の登録有効期間
・5年間(5年ごとに更新研修を受講)



▶養子縁組の制度について
・養子縁組は民法に定められた制度で、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」とがあります。
・「特別養子縁組」は、子どもの福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様になるものとして、後から成立した 制度です。



▶養子縁組里親に支給される費用補助(令和5年度)
・一般生活費(食費・被服費等)
 …乳児 月額60,670円(1人当たり)
 …乳児以外 月額52,620円( 〃 )
 *いずれも「養子縁組」成立後に不支給
・その他
 …幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職支度費、大学進学等支度費、医療費、通院費等
*いずれも「養子縁組」成立後に不支給
・「里親手当」は支給されません。






特別な種類の里親

上記以外の、特別な要件のある里親です。

〇専門里親

里親として子どもを迎え入れた経験を積み、専門的な研修を受講した方が、「専門里親」として非行や障害など、様々な子どもを預かります。まさに里親のプロフェッショナル版です。

>里親として子どもの養育に携わった経験年数が問われます。
>指定された専門の研修を受講する必要があります。
>養育に専念できる状況であることが必要です。

▶専門里親の対象となる児童
・次に掲げる要保護児童のうち、都道府県知事がその養育に関し特に支援が必要と認めた者 
①児童虐待の防止等に関する法律第2条に規定する児童虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた児童
②非行等の問題を有する児童 
③身体障害、知的障害又は精神障害がある児童


▶専門里親の要件
①養育里親の要件に加え、次のいずれかに該当すること 
イ:養育里親として3年以上の委託児童の養育の経験を有する者であること 
ロ:3年以上児童福祉事業に従事した者であって、都道府県知事が適当と認めた者であること 
ハ:都道府県知事がイ又はロに該当する者と同等以上の能力を有すると認めた者であること
②専門里親研修を修了していること
③委託児童の養育に専念できること


▶専門里親の登録有効期間
・2年間(2年ごとに更新研修を受講)


▶専門里親に支給される費用補助(令和5年度)
・里親手当 …月額141,000円(委託児童1人当たり)
・一般生活費(食費・被服費等) …乳児 月額60,670円(1人当たり) …乳児以外 月額52,620円( 〃 )
・その他 …幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職支度費、大学進学等支度費、医療費、通院費等




親族里親 *クリック


両親がいなくなってしまった時(死亡や行方不明等)、子どもの祖父母や兄弟姉妹といった親族が、里親としてともに暮らします。

>該当する子どもの扶養義務者やその配偶者が対象です。
>子どもが巣立った段階で登録は解除されます。
>県から子どもの生活費などの費用補助があります。

▶親族里親の対象となる児童
・次の要件に該当する要保護児童 
①親族里親となる人に扶養義務のある児童 
*扶養義務を負わせられていない「おじ・おば」については、例外的な取り扱いとなります。
②児童の両親その他該当児童を現に監護する者が死亡、行方不明、拘禁、入院等の状態となったことにより、これらの者による養育が期待できない児童

▶親族里親の要件
・養育里親の要件に加え 
①要保護児童の扶養義務者及びその配偶者である親族であること 
②要保護児童(対象児童)の養育を希望する者であること 
*研修は義務ではありませんが、里親研修は子どもにかかる様々な制度や支援について知れる機会となるので、受講をオススメします。

▶親族里親の登録有効期間
・該当する児童の委託が解除になった時点で登録が取り消し

▶親族里親に支給される費用補助(令和5年度)
・一般生活費(食費・被服費等) …乳児 月額60,670円(1人当たり) 
…乳児以外 月額52,620円( 〃 )
・その他 …幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職支度費、大学進学等支度費、医療費、通院費等
・「里親手当」は支給されません。
*ただし、扶養義務を負わせられていない「おじ・おば」については、「養育里親」と同様の扱いとなり、「里親手当(児童1人当たり月額90,000円」が支給されます。


ファミリーホーム *クリック


里親の拡大版で、5~6人の子どもを預かります。専任の養育者に加えて、補助員も配置することができます。

>里親として子どもの養育に携わった経験年数と、養育した子どもの人数が問われます。
>小規模住居型児童養育事業(第二種社会福祉事業)に分類されます。

▶ファミリーホームの対象となる児童
・要保護児童
・委託児童の定員は5~6人まで

▶ファミリーホームの事業形態
・小規模住居型児童養育事業(第二種社会福祉事業)に分類されます。
*個人(里親)運営型と施設(法人)運営型とがあります。

▶ファミリーホーム開設のための特別な要件
・里親登録をしていることに加えて、以下の①~④のいずれかに該当していることが必要です。

①養育里親として2年以上同時に2人以上の委託児童の養育経験
②養育里親として5年以上登録し、通算5人以上の委託児童の養育経験
児童養護施設等で児童の養育に3年以上従事
④都道府県知事が①~③と同等以上の能力を有すると認めた方
補助員も里親登録が望ましいとされています。

▶ファミリーホームに支給される費用補助
・人件費 …養育中の委託児童に応じて支給
*補助員を雇うことが可能
・その他 …一般生活費及び、医療費等は里親と同様





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